「SESで3年働いたのに、年収がほとんど上がらない」——この悩みには、個人の努力では解決しにくい構造的な原因があります。
結論からいうと、SESの年収が上がらない理由は「還元率50〜60%」「多重下請け構造」「単価の頭打ち」の3つです。同じスキルを持つエンジニアでも、企業形態が異なるだけで年収に最大297万円の差が生じます。
SESの年収が上がらない3つの構造的理由
SESの年収が上がりにくい背景には、ビジネスモデルに起因する3つの構造があります。
| 理由 | しくみ | 年収への影響 |
|---|---|---|
| 1. 還元率50〜60% | 月単価60万円でもエンジニアの取り分は30〜36万円 | 年収360〜432万円に留まる |
| 2. 多重下請け構造 | 元請け→1次→2次→3次と商流が深くなるほど中間マージンが増える | 末端のエンジニア報酬が圧縮される |
| 3. 単価の頭打ち | SESの単価は経験5年程度で上限に近づく | スキルが上がっても年収が頭打ちになる |
企業形態別の年収比較データ
同じITエンジニアでも、企業形態によって年収は大きく異なります。
| 企業形態 | 平均年収 | SESとの差 |
|---|---|---|
| SES | 350〜460万円 | — |
| SIer(元請け) | 約611万円 | +151〜261万円 |
| 自社開発 | 約697万円 | +237〜347万円 |
| フリーランス | 約862万円 | +402〜512万円 |
出典:年収データはdoda平均年収ランキング、フリーランスはPE-BANK調べ
SESで年収を上げるための3つの方法
構造的に年収が上がりにくいSESでも、改善する方法はあります。
方法1:還元率の高いSES企業に移籍する
還元率70%以上のSES企業に移るだけで、同じ単価でも年収が大幅にアップします。月単価60万円の場合、還元率50%なら年収360万円ですが、70%なら504万円と144万円の差になります。
方法2:商流の浅い案件を獲得する
元請け直の案件と3次請けの案件では、同じ業務内容でも単価に大きな差があります。自社の営業力が強いSES企業を選ぶことがポイントです。
方法3:自社開発企業に転職する
年収の天井を根本的に引き上げたい場合、自社開発企業への転職が最も効果的です。IT求人倍率は約3.4倍と売り手市場が続いています。
よくある質問
入社前であれば面接時に「還元率はどの程度ですか」と直接質問しましょう。在職中であれば、自分の月単価を営業担当に確認し、年収から逆算できます。還元率を公開しているSES企業は透明性が高い傾向にあります。
可能ですが、高単価案件(月80万円以上)かつ高還元率(70%以上)の条件が必要です。一般的なSES企業で年収500万円を超えるのは難しく、達成できるのはリーダークラス以上に限られます。
多くの場合は上がりますが、社会保険料の自己負担・案件の途切れリスク・営業コストを考慮する必要があります。手取りベースで比較すると、年収800万円のフリーランスと年収650万円の正社員が同水準になるケースもあります。
まとめ
年収が上がらない原因が自分のスキル不足ではなく、構造にあると気づくことが第一歩です。
SESと自社開発の年収差297万円の内訳を詳しく知りたい方は「【データで解説】SESから自社開発への転職データ|年収差297万円の現実」をご覧ください。データで見ると、転職の判断がよりクリアになります。


